空のおくには。

放課後保健室5巻.水城せとな

☆☆☆☆★

ネタバレ有りの感想です。
まだこの作品を読んでいない人は、読んだ後ここにきてくださいね。


さて・・・



蒼は真白に拒絶され、絶望モード。
こいつも結構打たれ弱い男ですね・・・。

メガネ君の想いを胸に真白君モード、
と思ったら5巻もやっぱり揺れ揺れ。
ここまでくるとちょっとギャグに見えますw。

というか男になる事を決意する時に、
そんな死んだ魚みたいな目になるな！w

いや、なるわけですよね、彼の場合は。
自分の半分を切り捨てなきゃならない訳だから。
まあホント凄いマンガです。

真白君モードのときの紅葉は可愛いいですね。
深く結ばれたように見える二人。
でも紅葉の変化はどっちに向かうのでしょう？
いずれにせよ彼女は大人になりつつある気がします。
取り残されるのは真白なんじゃないだろうか？

相変わらず面白い。
星四つ。

さて、ちょっと考察らしきもの。

ゴスロリは蒼の姉、藍のようです。
でもホントにそうなのかなあ？

それから黒いよろい。藍は蒼だと言ってますし、
蒼も認めるような事を言ってます。
僕は黒いよろいって黒崎先輩だとにらんでたんですけど、ハズレ？

そしてこの世界。
これ、生まれる前の世界とかそんな感じじゃないでしょうか？
カギとカギ穴は男と女のメタファーのような気がしますし、
三つの玉はへその緒的な？
一巻の冒頭、男の子か、女の子か、というのは
妊娠してお腹の子はどっち？みたいな会話にも読み取れなく無い。
扉の外に出るというのは生まれるという事？
黒い月は月経的な？
いい線いってる気がしますがさて。

放課後保健室 5 (プリンセスコミックス)

水城 せとな / 秋田書店

放課後保健室4巻.水城せとな

☆☆☆☆☆

ネタバレ有りの感想です。
まだこの作品を読んでいない人は、読んだ後ここにきてくださいね。


さて・・・


今回は真白君というより真白ちゃん。
乙女モード、女モード発動。
嫌よ嫌よで蒼を虜にしてゆきますw。

真白の前にカギはかなりの頻度で出て来ます。
しかし彼（彼女）はカギを手にして扉を開くまでに至らない。
黒い月を見ていない人は、ダメという事？
でもまあとりあえず、ショートカットの奇麗な女子っていいよねw。

けれどこの4巻、なんといってもメガネ君。

彼は紅葉の支えになっていたし、
真白の相談役としてもいい味出してました。
最後までまともなヤツでした。

でも恋愛は残酷です。
揺れる真白よりもずっと一途に紅葉の事を想っていても、
その恋が必ず届くわけでもない。

せつないですね。
これまで読んだ中でも、いちばんせつない終わり方でした。

真白からも、そして紅葉からも忘れられ・・・。
しかしその願いは真白に残る。

星五つ！

放課後保健室　4 (プリンセスコミックス)

水城せとな / 秋田書店

放課後保健室3巻.水城せとな

☆☆☆☆☆

すごいな、この作品。
水城せとなさん、すごいね。
ネタバレ有りです。

1人のキャラが、ある時は女性として深く悩み、
ある時は男性として深く悩む。
粗暴なクールイケメンにときめいたと思えば
か弱い女の子を守ってやりたくなったり、
何この揺れ具合w
こんな作品、今までみたことがありません。

真白の繊細さを女性的と評する者がいれば、
女のしたたかな強さの無い男そのものと評する者もいたり。
このあたりも面白い。

キリンの彼はなぜ鍵を手に入れる事が出来たのでしょう？
彼の願いとはなんなのか？
ハリボテでなくなったった事に関係しているのでしょうか。
それは紅葉のおかげなのか？
そして彼はドアの向こうで何を見たのか。
彼は黒い月を観たが、真白には見えていないという・・・
だんだんこの世界が見えてきました。

この作品で殆ど唯一まともなメガネ君、ホントいいやつです。
ゴールデンタイムの二次元君みたい。彼が登場するとホッとする。
紅葉への彼の想いはどうなるのか？

黒い鎧の正体は、蒼でなく部活の先輩な気がするなあ。
手の怪異は誰なのかわかりません。

今回も面白かったです。
ニセコイ読んだら放課後保健室を読むと良いよ！w
星五つ！

放課後保健室　3 (プリンセスコミックス)

水城せとな / 秋田書店

放課後保健室2巻.水城せとな

☆☆☆☆★

ネタバレありの感想。
放課後の保健室、そこに集まった生徒たちが繰り広げる夢の中でのバトル…
この説明、一応間違って無いと思いますが、そういう作品じゃないよねw。

夢の中では心のままの姿をさらす。
隠す事は出来ない残酷な夢。
しかし、ここで願いが叶えばカギが手に入る。
鍵を開けて扉の向こう側へ行った生徒は、卒業となるらしい。
しかもこの作品内の現実世界から居なくなり、みんなの記憶から消える。
この作品の中の現実もまた、どこか変です。
ここはいったいなんなのか？

2巻では顔のえぐられた少女、美登里が
早くもカギを手にして、向こう側の世界へ卒業しました。

卒業してしまった彼女の事を廻りの人も、真白も忘れてしまいましたが、
しかし誰かが確かにそこにいて、
誰だったか忘れてしまったという自覚は真白の中に残っている。

向こうに行った人は
幸せになれるのかの問いに先生は答えませんでした。
向こう側とは一体なんなのか？

美登里は黒い月を見たと言う。
これもかなり意味がありそうです。

少女マンガはいわゆる金髪と黒髪、
キャンディキャンディのアンソニーとテリー的な、
男二人がかなりの確率で登場し、
どっちがいいか困っちゃうわ的な展開が多いですがw、
この作品の男二人、真白と蒼は、
真白をめぐって男の蒼と女の紅葉が取り合うというところが実に複雑で。

真白の中に男を見出す紅葉と、真白の中に女を見出す蒼。
その二人の間で揺れ動く真白。

真白が男ならしょうもないヘタレキャラで腹が立つだけですが、
男でもあり女でもありだと、そこまでは悪い印象を感じませんが、
女性からしたらどう感じるのでしょうね？

気になるのは扉絵等では真白、紅葉、蒼のスリーショットが多く、
三人はなんだかイイ感じ。
紅葉と蒼は今は天敵のような二人ですが
紅葉がもし男性恐怖症を克服できたらもしかしてこの二人が出来てしまう、
なんて展開もありそうな気がします。

紅葉は現実に居たらという事はさておき、個人的には好きなキャラです。
こういう女の子は男では絶対に描けないでしょうし、
またこの手の男女のいざこざも男では描けないでしょうね。
って男女でいいのかな？真白と紅葉、真白と蒼の恋愛の対比が面白い。

新キャラ、メガネ君と、天才少年の登場。
これまで名前には色が入っていましたがこの二人には無いですね。
どう絡んでくるのか、今後が楽しみです。

満足の星四つ。

放課後保健室　2 (プリンセスコミックス)

水城せとな / 秋田書店

放課後保健室1巻.水城せとな

☆☆☆☆★

謎の美人先生が放課後、保健室で特別授業・・・
あらすじとしては間違っていないと思いますが
多分みなさんが想像するのとはちょっと違うでしょうw。

放課後保健室、略してホーホケ。
少女マンガの感想はかなり久しぶり。

初めての水城せとな作品。
失恋ショコラティエはまだ読んでいません。
サンキュータツオさんがポッドキャスト熱量と文字数で
時々水城せとなさんを熱く語っていたので、
ずっと気になっていました。

なるほどこの感触、これはやばそうな作品。
もう一巻から全開、出し惜しみの無い展開、いきなり複雑な恋愛模様。
面白い。

性別は男だが半分男で半分女の主人公、真白君。
コートを着たおびえる少女、よろい、ゴスロリ、手の怪異、顔のえぐれた少女・・・
保健室での特別授業とは夢の中でのバトル。
カギを手に入れると卒業出来る、という不思議な設定。

エンジェルビーツみたいな感じです、
というかあのアニメってこれの・・・

設定は最近良くみかけるゲーム的な感じ、SF的な感じですが、
むしろこの設定によってあぶり出される少年少女達の暗い感情とか葛藤こそが
作品の魅力といって良いでしょう。
女性特有の深いダークな部分は正直にいえば男からすると怖いだけなので、
あまり読みたいものでもなかったりしますが、岡崎京子作品程はえぐくない印象。
ショッキングな描写も多いですが、どこかエンタメとしての読みやすさがあります。
少女マンガにしては絵柄は割と男性でも手に取りやすいのでは。
というか個人的にはむしろ好きな部類。
（昔の絵柄はちょっときついけど・・・）

せっかく竹宮ゆゆこ病がおさまりそうだったのに、
今度は水城せとな病になりそうな・・・
とにかく先が気になります。
星四つ！

放課後保健室 (1) (プリンセスコミックス)

水城 せとな / 秋田書店

ミネバのつもり

シェリルノームのつもり

柿崎ィ〜！

凪のあすか.美海のつもり

opのところの印象的なカット。

ベルクカッツエのつもり

クラウズの方