☆★★★★
音楽よし、映像よし、声優よし、全体的にはクオリティの高いアニメでした。
見方によっては少年少女達の鬱屈とした心情をそれなりに描けていたと評価する事も
出来るかも知れません。しかし、ああやっぱりこんなことになっちゃった・・・
というのが正直な想いです。
器つくって魂入れず、文学少女の世界観の最もコアな部分が欠落していたように感じます。
そもそも企画に無理があります。
何故いきなりシリーズの中の最大の山場である5巻のエピソードをもってきたのか。
どううまくまとめようとしてもあまりに無理があります。
そもそも叙述トリックを多用しているので、ただでさえ映像化が難しい作品のなのに。
どうして1巻のエピソード「死にたがりの道化師」を映像化しなかったのか?
そちらの方がむしろ文学少女の世界観を凝縮している気がしますし、
物語としてはきちんと完結されているので少なくともいきなり5巻より
無理無くまとめる事が出来ると思います。
モチーフは太宰治の作品ということで何か権利的な問題でもあったのでしょうか?
ななせのキャラデザインについても残念でなりません。
劇場版で彼女の活躍が今ひとつ描かれ切れていなかったのは尺の都合で仕方ないとしても、
彼女はこのシリーズの中でもう一人のヒロインといえる存在。
それなのにいくらなんでもあの髪型は・・・。
もう全体的に原作好きとしては、色々突っ込みどころが多すぎて・・・。
このアニメに興味があってまだ見ていない人はまず原作を先に読む事をオススメします。
また既にこのアニメを見たが原作を読んでいない方には是非一度読んで欲しいです。
ちなみにコミック版はおすすめできます(まだ序盤ですがこちら出来が良いです)。
原作を知らなければ評価はまた違ったかも知れませんが、正直な感想として・・・
星一つ。