☆☆☆☆☆
久しぶりに読みたくなって。
竹宮ゆゆこの作品を好きな人はみんな
この短編が好きなのではないでしょうか。
とらドラ!シリーズの最終巻はスピンオフの短編集。
どの短編も楽しかったですが、中でも「ラーメン食いたい透明人間」は
この名作シリーズの最後を飾るのに相応しいエピソードだったと思います。
主役はまさかの能登と木原のお話。
とらドラ!のメインでない人達の物語。
言ってみれば私達に近い物語。
竹宮ゆゆこの作品にしては珍しく日本の学校の放課後的な匂いがします。
とらドラ!は学園ラブコメですが
あまり日本的な学校の空気感、放課後の空気感を感じないのですよね。
彼女の作品は全般的にそういう傾向がある気がします。
そこが個人的には好みですが、こういうのも書けるのか、という驚きがありました。
木原が抱いていた、亜美や竜児達への複雑な想い。
能登の素直になれない不器用さ。
誰にでも身に覚えのあるような、ちょっとくすぐったい、
甘酸っぱいあの頃のある日の出来事。
絶品です。
星五つ!