☆☆☆☆☆
ネタバレ有りの感想です。
まだこの作品を読んでいない人は、読んだ後ここにきてくださいね。
さて・・・
ちぎれてしまった片方の手。
真実は残酷です。
しかし、取り残されたのはホントはどっちなのでしょうか?
手の怪異の子が真白に残した女子の制服、
人魚が残した真白と紅葉の関係への決定的な投げかけ。
真白を否定する少女と、真白を肯定する少女。
この対比がお見事すぎるし、切り替えも鮮やか。
メインを真白、紅葉、蒼、藍とすると、
サブメンバーの登場はそれほど長い訳ではありません。
今回の新キャラも半分ずつの出番程度。
それでもこの作品に強烈な印象を残してゆきます。
もちろんこれまで登場したみどり、メガネ君、キリン君しかり。
もっとも今回後半の少女は、最初から出てましたね。
実は彼女はちょっとひっかかっていたのですよ。
なんか違和感があって。予感的中。
今回もう一つ重要なルールがあきらかになりました。
放課後の保健室の授業は二回までしかさぼれないということ。
三回さぼると存在が消えてしまうという事です。
これでますます
5巻の考察が
あっている気がしてきました。
生命力的な、生まれてくる力的な感じ。
授業を降りるという選択、
世界を自分の都合の良いように変えてしまう選択、
今回様々な選択をみたエピソードでした。
この6巻、個人的には4巻以上に切ない内容だったのですが、
その一方で例えば紅葉と蒼の描写、それから真白ちゃん妄想とか、
なんだか可愛らしいし、ギャグテイストもある。
謎だらけなのにテンポがいいし、間延びしていない。
しかもこれだけきつい話なのに、緩急があって読みやすい。
エンタメ度が高いのですよね。
この作品で一番感心するのはこのエンタメ感かも。
もちろん☆五つ。
終わったね・・・さようなら。
紅葉の表情がとても印象的な6巻でした。