☆☆☆☆★
終わってみればサスペリア+ギアス?
以下、多少ネタバレアリ。
私は綾辻作品が結構好きなので、原作を先に読もうと思っていたのですが
ついついがまんできず見てしまいました。
綾辻さんは叙述トリック、小説という媒体を自由自在にあやつるような
トリックを使う方なので、映像化できるのかと心配しましたが、面白かった。
まあ面白かったというにはかなりエグイ作品でしたが。
ホラーとしては3年3組を中心に起こる現象、
ミステリーとしては死者が一体誰なのか?
という2本立てで良い意味でお得感のある物語だったと思います。
効果音や演出はもろにサスペリアという感じでベタでしたが怖い。
一体何がどうなっているのかわからないゆらいだ展開は、
緊張感をもって物語を終盤まで引っ張っていったと思います。
不満としては、鳴のクライマックスあたりの様子がいくらなんでも淡白過ぎて、
かなり違和感がありました。人間あそこまで追い込まれたらもっと必死ですって。
三神と怜子が実はというのは途中でそう思って見ていたということもあり、
特に驚きませんでした。というかこのトリックを使う意味が良くわかりません(笑)。
声優の仕掛けとか全く知らなかったというのもありますが・・・
まあ綾辻作品おなじみというか、もはやお約束のトリックではありますね。
クライマックスはあまりに人が死にすぎてかえってコントっぽく、
水島努監督作品としては、イカ娘のホラー的シュール的ギャグ回を彷彿とさせ、
何だか可笑しくなってしまいました。嫌いじゃないですけどね。
主人公の妄想で鳴と主人公が唐突に教室で踊るシーンも笑えました。
いとうのいぢさんのキャラデザインはこれまであまり好きではなかったのですが、
本作で少し認識を改める事にしました。
色々書きましたが総合的には実に綾辻作品らしさをアニメで堪能できて大満足です。
ピーエーワークスはやっぱりいい、という事で☆4っつ。
人間ドラマが弱い、登場人物の扱いがひどい等の感想もありそうですが、
綾辻作品はもともと人間ドラマを重視しているタイプでは無い
という事だけはフォローしておきたいです。あれ?フォローになって無い?