☆☆☆☆☆
-あれは逢坂大河・・・・あれが、逢坂大河
ーじゃあ俺は?
疑似親子関係と恋愛感情。
そこがこの物語の面白さの根本だと思います。
そうなるとやはり見逃せないのが本当の親子関係。
今までもその伏線は見られましたが、
ああ、そこへちゃんと切り込んでいくのかあと。
そして・・・ついにやっちまったよ竜児君。
でも、避けて通れない道なんだよね・・・。
4巻の竜児とみのりんの会話で(ここまではアニメのみの視聴でしたが)、
とらドラ!に対しての印象が大きく覆されましたが、
ここにきて更に大きく印象が覆された、驚きのとらドラ!9です。
いよいよ主人公、竜児の巻、竜児の自問編、といった感じでしょうか。
さすがに最後の手前の巻だけあって、
これまでのエピソードとの結びつきが強い内容ですが、
特に5巻で描かれた内容が更に深く掘り下げられた感じです。
この9巻を読むと、再度1巻から読み返したくなる、そんな魔力があります。
人知れず、大河の自分への想いを知ってしまった竜児。
これまでどれだけ大河を傷つけて、どれだけ与えられて、
どれだけ理解できずにいたかを知る事になります。
そして進路の事。
ようやく竜児は自分自身と向き合う事になります。
しかしそれは必ずしも希望に満ちたものでなく、
しまいには母親のやっちゃんとの間に亀裂を生む結果となり・・・。
大河の手を取ってどこへ逃げるのか、竜児!?。
とにかく見所の多い、印象的なシーンの多い9巻でした。
ホント面白いです、この作品。次はいよいよ最終巻。
星五つ。